この記事は哲学・ポエムカテゴリの文章です。
記述内容を無批判に受け入れることなく、読者自身が考えるきっかけにしていただきたいと思います。
誰かに「あなたは間違っている」と言うと、相手に「間違っているのはそちらの方だ」と受け取られます。
なぜなら、どんな人でも、自分の置かれた状況の中で「悪くない」と思える選択肢を選んで行動しているからです。
世間から見れば正しくないように思えることでも、その行動をしている本人は、自分で自分の行動が間違っているとは思わないのです。
世間と当人の間でこのような認識齟齬が生じる原因は、環境や状況による不可抗力、知識や経験不足や単純なケアレスミスなど、様々な要因が考えられます。
いずれにせよ、当人の中では正当な理由に基づいて行動していることに変わりはありません。
こうした背景を無視して、他人に対して安易に「あなたの行動は間違っている」と伝える行為は、相手に対して一般論的な正しさを押し付けることと同義です。
なので、他人から「あなたは間違っている」と言われたとしても、言われた側は、「自分の行動には自分なりの正当な理由があるのだ。間違っているのはそちらの方だ」と反発することになります。
どんな争いも、このようにして起こるのです。