要点まとめ
- コミュニケーションの基本は、伝えたいことをすべて言葉で表現すること
- 言葉で表現するとは、単純に話すのではなく、きちんと正しく伝わる言葉で話すという意味
- 正しい方法で練習することで、誰でも伝えたいことを言葉で表現できるようになる
コミュニケーションの基本ルール
「言わないと伝わらない」
これは、人と話をするとき、常に気を付けないといけない前提ルールです。
自分の思いや考えは、言葉で言わない限り誰かに伝わることはありません。
もちろん、快・不快や喜怒哀楽など、単純な感情であれば言葉を使わなくても伝えることができます。
しかし、その感情を持った理由や詳細については言葉で表現しなければ伝えきれません。
コミュニケーションの基本は、伝えたいことをすべて言葉で表現することです。
当然、言っても伝わらないときもあります。
そういうときは、伝わるまで言い続ける必要があります。
人間にはテレパシー能力がありませんので、自分の気持ちや考えは、言葉にしないと相手には伝わらないです。
稀に、言わなくても伝わるように思うことがあるかもしれませんが、それは特殊なケースです。
たとえば、付き合いが長い相手とのコミュニケーションで、経験からの予測により言葉なしで意思疎通が成立するような場合が挙げられます。
具体的には、食卓に目玉焼きが出てきた時にいちいち「塩コショウ取って」と言うのが省略されるようなケースです。
しかしそれは、決まったルーチンワークをこなすときに言葉なしで成立するという程度の話であり、人の価値観や感情などの複雑な情報を伝達するようなコミュニケーションでは起こりません。
相手の考えを深く理解するためには、かならず言葉でのコミュニケーションが必要です。
くれぐれも、自分の思いを言葉にしていないのに、相手が分かってくれないことを嘆いたり怒ったりしないでください。
誰かに自分のことを分かってもらいたければ、まず初めに、言葉で伝えなければなりません。
言葉で伝えるというのは、単純に話せばよいということではなく、次のような言い方で話すという意味です。
- 相手に伝わる言い回しで話すこと。相手の知らない言葉を使わないこと。
- 相手の聞く準備ができているときに話すこと。
- 言葉を省略しないで話すこと。
- 「あれ」や「それ」などの指事語は明確につかうこと。または指事語を使わないこと。
- 大きすぎず小さすぎない聞こえやすい声で話すこと
- 泣いたり怒ったりせずに話すこと
一度で伝わらないときは、伝わるまで繰り返し伝え続けてください。
これらのことに気を付けてキチンと伝えるには練習が必要です。
自然と出来るようにはなりません。
大人になってしまうと、練習する相手すらいなくなってしまうので、出来るだけ早くに身に付けてください。
練習は、次のように行いましょう。
- 心を落ち着けて深呼吸し、平常心になる。
- 言いたいことを頭の中で思い浮かべる。
- 「今話してもいいですか?」のように聞いて、相手の聞く準備ができていることを確認する。
- 相手に聞こえやすい大きさの声で、ゆっくりはっきり話す。
- 自分の考えていることを全て言葉にして話す。
- 余計なことは言わず、言うべき言葉を省略せず、間違ったことや本心でないことを言わないように気を付ける。
たくさん気を付けることがありますが、繰り返し練習すれば誰でも身に付けることができます。
すべてのコミュニケーションの基本は、言葉にすることです。
この基本の上で、状況に合わせた高度なコミュニケーションが成立しています。
基本ができていないと、ほかのコミュニケーションスキルを身に付けることができませんので、ぜひしっかりと身に付けてください。